ニュースレター

第44回 平成30年度税制改正の「賃上げ・生産性向上のための税制と事業承継税制」平成30年1月11日

ごあいさつ

よき新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。永澤です。
昨年中皆さまには大変お世話になり、ありがとうございました。
新しい年も半月ほど過ぎ、あわただしい日常が戻ってきました。そしてこのまま確定申告繁忙期まで進んでまいります!本年もどうぞよろしくお願いいたします。

平成30年度税制改正の「賃上げ・生産性向上のための税制と事業承継税制」について

平成30年度税制改正大綱が、昨年末に閣議決定され公表されました。
昨年(平成29年)度税制改正では、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しのほか所得拡大促進税制の見直しや中小企業向け設備投資促進税制の拡充等の改正がなされましたが、本年(平成30年)度税制改正の大綱では、個人所得課税の見直しということで給与所得控除・公的年金等控除・基礎控除等が見直されるほか、賃上げ・生産性向上のための税制上の措置や中小企業の設備投資を促進するための税制上の措置及び中小企業の代替わりを促進する事業承継税制の拡充等が盛り込まれましたので、その中から3項目についてご紹介します。

賃上げ・生産性向上のための税制について

  • 中小企業における所得拡大促進税制を改組して、①平均給与等支給額が対前年度比1.5%以上増加、②給与等支給総額が前年度以上の2つを適用要件として、給与等支給総額の対前年度増加額の15%の税額控除を認めるものです。さらに、要件①の増加率が2.5%以上で、教育訓練費が対前年度比10%以上増加、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、経営力向上の証明がなされた場合は25%の税額控除が受けられます。控除税額の上限は、いずれも法人税額の20%までです。
  • 償却資産に係る固定資産税の特例措置の創設について
    まずは、市町村が導入促進計画を策定して国の同意を得る。その後、中小企業者等が市町村の策定した同計画に基づく先端設備等導入計画を策定し市町村から認定を受けることが必要となりますが、対象者は中小企業者等のうち先端設備等導入計画の認定(労働生産性年平均3%以上向上、市町村計画に合致)を受けた者(大企業の子会社を除く)で、対象地域は導入促進基本計画の同意を受けた市町村であり、対象設備は生産性向上に資する指標が旧モデル比で年平均1%以上向上する機械装置、測定工具、検査工具、器具備品及び建物付属設備(家屋と一体となって効用を果たすものでないもの)で、最低取得価格と販売開始時期が定められた範囲に該当する設備で、生産、販売活動等の用に直接供されるものであり中古資産でない設備について、固定資産税の課税標準を3年間、ゼロないし二分の一に軽減するというものです。
    なお、市町村により対象設備や特例措置が異なる場合がありますので活用する際は留意が必要です。
    また、平成28年度に創設した現行の特例措置については、上記措置の創設に伴い、平成31年3月31日をもって廃止することとなるようです。

中小企業経営者の次世代経営者への引継ぎを支援する税制措置について

  • 事業承継税制の拡充
    今後5年以内に承継計画を提出し、10年以内に実際に承継を行う者が対象者となります。納税を猶予する対象株式数の上限をなくして全株式の適用を可能とし、納税猶予割合も100%に拡大し親族外を含む複数の株主から代表者である後継者(最大3人まで可)への承継も可能としています。
    また、税制適用後において、事業がうまくいかずに将来において自社株譲渡などの場合にも売却額や廃業時の評価額を基に納税額を計算し、承継時の株価を基に計算された納税額との差額を減免したり、5年間で平均8割以上という雇用要件を未達成の時でも、認定経営革新等支援機関による意見を記載した書類を作成して、雇用維持要件を達成できなかった理由を都道府県に提出していれば、納税猶予の打切りは生じさせないなど、リスクが軽減されたものになっています。

 

以上のほか、たばこ税、森林環境税、出国税(国際観光旅客税)、電子申告、小規模宅地特例の見直し、一般社団法人による租税回避スキーム防止規定、組織再編成、収益認識に関する会計基準に対する対応、国際税務、それに生産緑地に関する農地関係の改正など多数の項目に渡っておりますが、今後、取扱の詳細など順次示されるものも多いと思います。
興味深い項目については、今後に注目しておきましょう。

           (今野拓治)

 〜〜編集後記〜〜

先日の成人式では、当日業者と連絡が取れなくなり振袖を着ることができなくなってしまった新成人が大勢でてしまったとニュースで見ました。2年も前から予約していたのにと話していたお母様がいらっしゃいました。私も今年18歳になる娘がおりますので他人事とは思えずテレビの前で一緒に怒っていました。と同時に、いまでは成人式の予約を2年前からするのか…ということは我が家ももう考えなくてはいけないの!?と少し焦りも感じた出来事でした(^-^;
末筆ながら、この一年が皆さまにとって幸多き年となりますようにお祈り申し上げます。

 (永澤祐美子)