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第38号 民法改正に伴う、債権消滅時効の見直し平成29年7月18日

ごあいさつ

こんにちは、永澤です。
7月も半ばを過ぎ梅雨明けしたかのような暑い毎日が続いています。みなさまいかがお過ごしでしょうか。体力には自信があり体調管理にも気を付けているつもりでしたが急なこの暑さでもう夏バテしてしまいそうです…。

民法改正に伴う、債権消滅時効の見直し

「民法の一部を改正する法律案」が、2015年3月31日の閣議決定から2年2ヶ月を経て、本年5月26日に成立しました。これは、民法の債権関係の改正に関わる法案であり、1896年の民法制定・公布以来、約120年ぶりの大改正となります。

消滅時効の統一について
(1)消滅時効とは
一定の期間の経過によって、債権などの財産権が消滅する制度のことを「消滅時効」といいます。現行の民法では、一般的債権の消滅時効が原則「10年」と規定されており、例外として業種ごとに異なる「短期消滅時効」が定められています。

【現行の民法における債権の消滅時効】

業種別の主な債権の種類 時効期間
・運送賃に係る債権

・旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場料

1年
・弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債権

・生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権

2年
・医師、助産師又は薬剤師の診療、助産又は調剤に関する債権

・工事の設計、施工又は監理を業とする者の工事に関する債権

3年
・企業間商取引 5年
・司法書士、税理士、公認会計士、マッサージ師などの報酬 1年【原則適用】

(2)改正内容
現行民法では、「債権は、10年間行使しないときは、消滅する」とし、職業別短期消滅時効を規定し、規定外の税理士、公認会計士等の報酬の時効は原則10年が適用されています。この職業別短期消滅時効を廃止し原則に一本化するとともに、原則も見直し、①債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、②権利を行使することができる時から 10年間行使しないとき、のいずれかに該当するときに債権は時効によって消滅するという改正がなされます。

個人保証の一部制限等について
 改正法案では、保証人保護を拡充する観点で、企業向け融資における保証人の保護と、第三者による連帯保証の原則禁止などが検討されました。

(1)個人保証の制限
改正法案では、個人保証について、一定の制限が規定され、連帯保証の場合も同様となります。  経営者以外の第三者である個人が事業のための借入(事業性借入)の保証人になる場合には、その保証契約締結の日前1か月以内に作成された公正証書において、「保証債務を履行する意思」を表示していなければ、原則として無効となります。
ただし、企業の取締役、執行役、団体理事又はこれたに準ずる者、過半数の議決権を持つ株主、個人事業の共同事業者など、主債務者と一定の関係にある者は保障制限対象の例外となります。

(2)公正証書の作成方法
公正証書の作成方法は以下の通りとなります。
①保証契約を締結し、保証人が次の事項等を公証人に口授する。
・主たる債務の債権者及び債務者
・主たる債務の元本
・従たるすべてのもの(利息、違約金、損害賠償等)の定めの有無及びその内容
・主たる債務者が債務を履行しないときには、債務全額について履行する意思(連帯保証の場合はその旨の意思)を有していること
②公証人が、保証人の口述を筆記し、保証人に読み聞かせ又は閲覧させる。
③保証人が、筆記の正確なことを承認した後、署名押印する(保証人が署名することができない 場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる)。
④公証人が、その証書は上記すべての方式に従って作成したものである旨を付記して、これに署名押印する。

法定利率の引下げと変動制の導入
 金銭債権に利息が付される場合は、その利率は当事者間の合意によって定められることが一般的ですが、当事者間で定めない場合、法律で定められた利率が適用されることになります。当事者間の合意によって定める利率を「約定利率」、法律で定められた利率を「法廷利率」といいます。
現行民法では、「利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年5分(5%)とする」と定めています。また、商行為によって生じた債務に関しては、法定利率は年6分とし(商事法定利率)、民法よりも高利な法定利率を定めています。
改定法案では、法定利率を現行の年5%固定制から3%に引き下げ、その後3年ごとに見直す変動制が導入されます。

(森 郁美)

 〜〜編集後記〜〜

今年の土用の丑の日は7月25日と8月6日です。
厳しい暑さを乗り切るためにうなぎを食べることが多いと思いますが、うなぎだけではなく、「土用餅」がありこれは土用に食べるあんころ餅だそうです。私はお餅が大好きなので今年の土用の丑の日にはあんころ餅を食べて夏バテを吹き飛ばし、夏本番に備えようと思います!(^^)!
暑さ厳しき折、みなさまのご健康をお祈り申し上げます。(永澤祐美子)