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第33号 平成29年度税制改正大綱(資産課税)平成29年1月04日

ごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。今野です。
新しい年の始まりにあたりまして、皆様それぞれにすばらしい1年となりますようご祈念申し上げます。
早速でありますが、国のマイナンバー制が実質的に始まります。
一方、税金と社会保障費を合わせた負担が国民所得のどれぐらいを占めるかを示す国民負担率は、昭和40年代では25%であったものが、平成に入り36%から37%、平成24年には40%を突破して、平成27年には43%超となっています。
江戸期の農民の年貢は、「四公六民」や「五公五民」と言われておりますが、比較せずとも驚くべき負担率であります。
個人の金融資産は、増え続けて1700兆円を突破したようですが、財政赤字の下、一層税収を増やしたい国は、マイナンバーと預金口座を2018年から「任意」ではありますが結びつけ、資産課税強化にマイナンバーでさらに動き出し始めるのでしょうか。

平成29年度税制改正大綱のうち今回は資産課税主なものについてご紹介します

昨年12月8日に税制改正大綱が発表されました。資産課税に関しては、主なものとして下記の事項が改正内容に盛り込まれました。

1.居住用の超高層建築物に係る固定資産税課税の見直し

高さ60m(おおむね20階程度)を超える一定の建築物(以下「居住用超高層建築物」と呼びます)について、建物全体の固定資産税額を各区分所有者に按分する際に、階層別専有床面積補正率というルールを適用することになりました。
階層別専有床面積補正率とは、居住用超高層建築物の中間の階を100として、階が一を増すごとに、10/39を加えていくというものです。
これにより、建物全体の固定資産税額は変わりませんが、中層階から1階上がるごとに、固定資産税の0.26%の増税、1階下がるごとに0.26%の減税となります。固定資産税だけの問題であり、相続税の財産評価には影響がありません。

(注)平成30年度から新たに課税されることとなる建物から適用されます。このため平成29年には駈込みで購入を勧誘する動きが出るものと思われます。

2.取引相場のない株式の評価方法の見直し

類似業種比準方式と評価会社の規模の区分に変更がありました。
その中でも配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重が1:3:1から1:1:1に変更されたことにより、利益の大きい会社にとっては評価額が抑えられる効果が生じそうです。ただし現在の1:3:1になる前は1:1:1だったので、元に戻っただけとも言えます。

(注)平成29年1月1日以後の相続・贈与等により取得した財産の評価に適用されます。

3.広大地評価の見直し
 現行の広大地評価は、該当すれば一律に莫大な評価減が可能になっており、当事務所でも活用してきました。
今回の改正で、現行の、面積に比例的に減額する評価方法から、それぞれの土地の個性に応じ形状・面積に基づき評価する方法に変更するとともに、適用要件を明確化する、としています。しかし現行の方法の前は複雑な計算や作図が必要で、広大地の解釈をめぐり納税者と当局との紛争が多発していました。このため簡略化し面積で一律に割切る現行の方法が採用されたはずだったのですが、上記2同様、振り子が元に戻ったような印象です。

なお、適用要件の明確化とは具体的にどういうことなのかについてはまだ公表されていません。

(注)平成30年1月1日以後の相続・贈与等により取得した財産の評価に適用されます。

(森 郁美)

 〜〜編集後記〜〜

お読みになっている方もおられると思いますが「がんの超早期発見最前線」とのニュースを見ました。
発見の技術は3つで、一つ目は血液のマイクロRNAによる13種類のがんを発見するという「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」(国家プロジェクト)です。
開始から5年目の2018年までに実用化を目指しているといい血液検査でがん特有のマイクロRNAがあるかどうか検査することでどんながんにかかっているのかがわかるというものだそうです。
二つ目は、においでがんの超早期発見をするというものです。
手のひらからしみだすがんのにおいをセンサーで成分検出して、そのにおいを可視化することで発見するのだそうです。
三つめは唾液でがんの超早期発見をする技術です。
慶応大学の研究所で研究しており、唾液を分析したビッグデータを活用して違いを分析して発見するのだそうです。  どの部位のがんなのかもわかるそうで、現在スクリーニングの状態で発見できておりますが、実用化は先のようだと述べています。
問題も生じてきており、がん発見が超早期すぎるために有効な治療法がないなど治療法が確立されていないことなんだそうです。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(今野拓治)